Valmet IQ紙品質管理システムによる正確な測定値
2018年11月30日金曜日
Sappi社 Kirkniemi工場では、スーパーカレンダー用の Valmet IQ Quality Control Systemによって、品質管理とオンライン検証が可能になった。共に製造ポートフォリオに新製品を導入するためには不可欠なものである。
Sappi社 Kirkniemi工場はフィンランドの Lohjaに位置する。同社では3台の抄紙機を使い、ヒートセットウェブオフセット印刷用の高品質のギャラリー紙を年間 75万トン生産し、世界中のカタログ、パンフレット、出版物製作用の大量印刷市場に提供している。
その2台のオフマシンスーパーカレンダーの品質管理システム(QCS)に耐用年数が到来し、Kiekniemi工場はバルメットに代替品を求めた。「私たちはこれまで 2年間、抄紙機 PM 3に Valmet IQ Quality Control Systemを使用し、非常に満足していました。スーパーカレンダー加工に対し、バルメットは優れた管理とオンライン品質検証の可能性を提案しました。私たちのポートフォリオに新製品を導入する際に不可欠な要素です。」Sappi社 Kirkniemi工場の生産エンジニアである Heikki Järvinen氏が解説する。ワインダー前に位置する Valmet IQ Scannerには、光沢とキャリパー用の多変数CD制御を備えた、上下の光沢、キャリパー、および水分測定ヘッドが装備されている。
スーパーカレンダーはスチールシリンダーと弾性シリンダーで構成されており、紙ウェブはそれぞれのロールの周りを蛇行する。その間にニップの熱、圧力、摩擦が紙の表面に艶を出し、滑らかさと光沢を与える。同時にこの艶出しは紙を薄くし、そのためキャリパー測定が重要な制御変数になる。2台のほぼ同一のスーパーカレンダー設備 SC 3と SC 4は、幅が 6.5 mである。PM 2設備からの、主に 54~80 gsmの範囲の砕木とクラフト含有グレードで、平均分速 600 mで稼働する。
光学キャリパー測定
SC 3設備への新しい QCSの設置と立ち上げは 2017年6月に行われ、SC 4設備については同年12月に行われた。設置は 3日で終わり、エンジニアリング段階から立ち上げに至るまでバルメットと非常に良い協力関係があった。「実験室との良好な相関関係が直ちに見られ、現在までどのシステムにも問題はありません。」Sappi社 Kirkniemi工場のオートメーションプロジェクトマネージャー Ari Skyttä氏は満足げに語る。
「キャリパーとバルクは、スーパーカレンダーから作られる私たちの新製品に決定的な役割を果たします。バルメットスキャナーから得られるこれまで以上に正確な測定値によって、私たちはキャリパーに影響を及ぼすものは何か、そしてそれをどうやって制御したら良いか、考えることができます。」Skyttä氏は続ける。Valmet IQ Optical Caliper Measurementは、シートの片側にだけ軽く接触する。これは接触型キャリパーセンサーが、しばしばシート上に残すマークを避けるためだ。このシステムは 2つの精密測定技術を組み合わせている。走行するシートの下で光学から基準プレートまでの間の距離を測定する磁気的原理と、紙の上面までの距離を測定する非接触光学的三角測量原理である。これらそれぞれ正確な測定値を互いに差し引くと、正しい紙厚が得られる。
より高いレベルへの自動化
現在では、品質測定と自動化は以前とはまったく異なるレベルにあります。
「旧システムではできなかった水分測定も、非常に有用であることが証明されています。これにより、以前問題が発生していた塗工機から、シートの水分を二重にチェックすることができます。もちろんそのレベルはスーパーカレンダー後では異なりますが、変化を見ることはできます。」Skyttä氏は言う。
「2018年には、分散制御システム(DCS)も Valmet DNAにアップグレードしました。この結果、現在では、品質測定と自動化は以前とはまったく異なるレベルにあります。私たちは信頼できる情報を以前より多く持っています。そしてそれはシステムによって綺麗にグラフ化されます。製品開発における本当のツールと言えるでしょう。」Järvinen氏は言う。
Valmet DNA情報システムは、親ロールごとの上下の光沢を含む、収集したプロセスと品質のデータを保存する。これにより顧客に出荷されたロールに関する情報を追跡できる。「私たちは自社のパフォーマンスをもっと統計的に分析し、良い生産条件をベンチマークできるようにしたいです。そうすることが、新システムを本当に役立たせる方法です。」Järvinen氏は断言する。
満足しているお客様
「最初は光沢とキャリパーの両方のプロファイルを改善したいと考えていました。しかし、今は CDキャリパーしか制御できていませんが、非常に満足しています。お客様からの苦情の件数は減りました。私たちは他にも多くの改善を行いました。たとえば抄紙機上での水分プロファイリングです。結果的にこれを完全にQCSに帰することは困難ですが、状況は間違いなく良くなっています。」Skyttä氏は結論付ける。
本文と写真: Nigel Farrand
本記事は広報誌 Forward magazine 1/2019に掲載されています。
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