Valmet MAPはより良いリファイナー管理への道筋を示す
2018年3月29日木曜日
フィンランド東部のLieksa(Pankakoski)にあるPankaboard社の工場は、梱包用の厚みのある折り畳み式のボール紙と無塗装の カートン用板紙、さまざまなグラフィックおよび産業用アプリケーション、食品サービス製品の製造における世界的リーダーである。工場で行われている継続的な製品開発と新しい技術革新により、BM2と BM3の 2つの異なる板紙抄紙機製品が、常に特定のお客様のニーズを満たすことを保証している。この理念の一環として、Pankaboard社は最近、板紙抄紙機に対する複数の完成紙料のより良いリファイナー管理を実現するために Valmet Pulp Analyzer(Valmet MAP)を設置した。
良好な排水性が破損を低減
リファイナーの主な目的は、良好な印刷特性を有する強く滑らかな紙シートを形成するように、繊維の結合能力を改善することである。同時に、リファイニングの程度は、板紙抄紙機で多層の紙料とフォーミングゾーンでシートの排水性および乾燥に影響を与え、さらに複雑さが増す。排水能力の一次指標である濾水性は、マシンオペレータが望む結果を得るためにリファイニング強度を設定するのをサポートするために、オンラインで Valmet MAPにより測定される。これにより、上部および下部の層完成紙料の過度のリファイニングとエネルギーの浪費が回避され、よりコンパクトな繊維網が得られ、中間層の脱水を減少させることができ、乾燥機におけるふくれや層間剥離を引き起こす可能性がなくなる。「リファイナーは、最高の完成品品質と良好な排水性のために、スイートスポットで継続的に稼働する必要があります」と、Pankaboard社プロダクトマネージャー Tomi Hankaniemi氏は述べている。「当社の主な目的は、劣悪な排水性によって引き起こされるブロー破損を減らすことでした。」
オンライン濾水性測定
Valmet MAPアナライザーは 2017年4月に設置された。合計 12台の自動サンプラーを搭載しており、上部および後部パイルについて、プレリファイナー、マシンリファイナー後、および、中間層リファイナー、強化パルプリファイナー、ブロークパルプリファイナー、砕木パルプリファイナー後に両マシン上の濾水性を測定する。アナライザーはサンプルを自動的に循環させ、約 1時間で全 12ポイントの連続測定更新を提供する。Hankaniemi氏は次のように述べている。「当社は、真夏までの最初の 2ヶ月間に、15の異なるパルプグレードと混合物を使って概略的に実験室で相関関係を調査しました。その結果が非常に良好であったため、更なる確認は必要がなくなりました。」両方のマシン制御室の専用ディスプレイに、12の測定ポイントの毎時濾水性値がトレンド形式で表示される。「オペレータは何が起こっているかを正確に知り、制御操作の結果をほぼ即座に確認することができます。以前は、変更が行われたのか、それがどのような影響を与えたのかを知ることは困難でした。」と Hankaniemi氏は述べる。オペレータはトレンド情報を積極的に使用してリファイナーエネルギーを調整する。特にディスプレイ上の赤色ラインで表示される BM2に対する濾水性限界により簡単に行えるようになった。「まだまだ新しいことですが、当社は BM2の上部および後部パイルに対する濾水性限界を決定し、オペレータはそれらがどこにあるかを正確に把握することができます。過度の水分による破損は減少しましたが、それでもなお発生することがあります。しかし、原因をより正確に判断することができるようになりました。」
測定方法の標準化
Valmet MAPは TAPPI T227の標準化された測定方法を自動化し、オンラインアナライザの高い可用性を利用して、信頼性が高く正確な濾水性結果を提供する。高度な再現性を提供するだけでなく、標準化された測定により、異なる工場間で比較可能な濾水性結果を提供する。また、モジュラー設計により、他の繊維特性測定を標準プラットフォームに追加し、プロセス内の同じ自動サンプリングポイントを利用することができる。工場のテクニカルメンテナンスパートナーであるCaverion社のメンテナンスエンジニアである Timo Pursiainen氏は、最初の 9ヶ月間の運用に大きな問題はないと報告している。「設置は非常に簡単で、シンプルなメンテナンスには月次清掃のみが含まれ、1時間程度で完了します。」と彼は述べている。
「数ヶ月で測定された投資収益率(ROI)」
「この装置がいかに多くの情報をもたらすか、いかに効果的かつ再現性があるかは、驚くべきことでした。」と、Hankaniemi氏は述べている。「ブローが引き起こす破損が減少し、シート品質が改善されたことにより、両マシンの稼働性が向上しました。」投資収益率について質問されたとき、彼の慎重な返答は「数ヶ月で測定され、これは確かに良い買い物でした!」であった。
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