三菱製紙株式会社 八戸工場でのリファイナー改造による省エネ

2020年4月29日水曜日

三菱製紙は、競争力を確保するため、高品質の印刷用紙と情報用紙の製造している八戸工場の PM2にて、2019年、叩解プロセスの品質向上とエネルギー消費の削減を目的としたリファイナーの改造工事を実施しました。

Quality all the way

操業のための考えから高品質な機器選定

叩解は、パルプ原料の繊維特性と強度などの最終紙製品の特性の両方を満足する上で決定的な役割を果たします。また、抄紙機の走行性にも大きく影響し、工場の主要なエネルギー消費設備のひとつです。三菱製紙株式会社は、バルメットのリファイニング(叩解)の専門知識と高品質の技術を、世界中のいくつかの参考資料からの優れた結果を通して信頼していました。

三菱製紙株式会社 八戸工場の製造部紙1課 課長 遠藤 哉氏は「我々は、30%の省エネ効果、メンテナンスコストの削減、およびオペレーターにとっての叩解作業の容易な運転方法に非常に満足しています。現在では、2台または 3台のリファイナーではなく、1台のバルメット大容量リファイナーを使用して、すべての製品グレードを生産しています。」と話しています。

バルメットのファイバーテクノロジーセンターでパイロットトライアルを実施し、その結果を PM 2の実際の生産条件と包括的に比較することにより、適切な機器選定が行われました。

 

バルメットの大容量リファイナーでは、リファイナーの両端でパルプ原料が供給されるため、リファイニングゾーンへのパルプの均一な分配が可能になる。パルプはフロースルーの原理でリファイナー内に分散されているため、同様の容量を持つ従来のリファイナーと比較して、リファイナーのサイズがはるかに小さくなる。これにより、リファイナーの使用台数を減らすことが可能となり、電力消費が大幅に削減される。

高い紙品質が競争力を確保

現在、改造後、パルプ繊維は低いエネルギーで均一なリファイニングプロセスで叩解され、紙の地合と内部結合強度が向上すると同時に、幅広い生産の柔軟性が提供されています。「私たちは、紙の強度を改善することにより、高品質の上質紙を製造できると考えています。 改良されたリファイニングプロセスのもうひとつの利点は、幅広い坪量範囲で多くの品種の製品を生産できることです。これは操業の柔軟性の向上を意味します。」と、遠藤氏は述べています。

性能の向上と順調な操業

新しいリファイニングプロセスは、パルプ品質と操業を安定させ、オペレーターの日常操業にも利点をもたらします。

三菱製紙株式会社 八戸工場の製造部紙1課 技術スタッフの浜田 大和氏は「操業については、リファイナーの切り替えなど、リファイニングプロセスに関連する日々の作業が削減されました。また、リファイナーセグメントの交換時期を見積もることができ、定期的に開放点検をする必要が無いことや複数のリファイナーをメンテナンスする必要がないため、作業負担が軽減されています。 また、改造前のシール部分からのパルプ漏れなどの問題は解消されました。」と述べています。

操業については、リファイナーの切り替えなど、リファイニングプロセスに関連する日々の作業が削減されました。

豊富な知識と専門技術

三菱製紙株式会社によると、競争力を維持する主な要因は、エネルギーと原材料の節約によって運用コストを削減することです。これには、高い技術力と問題解決スキルを持つ経験豊富なパートナーが必要です。

「運転操業と品質の両方の最適化に関するバルメットの膨大な技術サポートに非常に満足しています。特に、省エネの解決策としてバルメットのコニカルリファイニング技術を積極的に提案してくれたことに感謝しています。プロジェクト中に多くの正確なアドバイスや提案を得て、すべての課題を一緒に解決しました。」と、遠藤氏はまとめます。

運転操業と品質の両方の最適化に関するバルメットの膨大な技術サポートに非常に満足しています。

「私たちは、30%の省エネ効果、メンテナンスコストの削減、オペレーターにとってのリファイナーの容易な運転方法に非常に満足しています。」と遠藤 哉氏は述べている。(写真左より: 八戸工場 製造部紙1課技術スタッフ 浜田 大和氏、製造部紙1課課長 遠藤 哉氏、バルメット セールスマネージャー 松本 健治)

 

バルメットの大容量コニカルリファイナーを選択した3つの理由

大容量リファイナーは、3つの主な理由により、目的のパルプ品質を生産する能力において他に類を見ません。

まず、シングルギャップマシンです。リファイニングギャップは、例えばダブルディスクリファイナーとは異なり、リファイナー全体で等しく、この単一のギャップは均質な繊維特性を提供します。

第二に、正確なギャップ制御があります。リファイニングギャップは、生産パルプの品質に影響を与える主なパラメーターのひとつであることはよく知られています。大容量リファイナーでは、サーボモーターを使用することでギャップ制御が非常に正確かつ迅速に行われるため、ローター位置とリファインギャップを迅速かつ正確に制御できます。

第三に、従来のリファイナーとは異なり、高容量リファイナーはリファイニングゾーンのバー全体にパルプ原料を均一に供給するため、繊維への機械的エネルギーの優れた伝達が可能になるため、すべての繊維が同等に処理されます。

リファイナーのこれら3つの機能により、リファイニングプロセスの優れた制御性が実現し、最終製品の特性にプラスの影響を与えます。


本文 Marika Mattila, Daisy Yang

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